株式会社能作 – 企業価値協会 Skip to content

株式会社能作

2023vpc

株式会社能作
富山県高岡市オフィスパーク 8-1
TEL: 0766-63-5080
https://www.nousaku.co.jp

代表取締役社長 能作 千春

代表取締役社長 能作 千春

2023年 認定

代表取締役会長 能作 克治/代表取締役社長 能作 千春
創業:大正5年(1916年)
主たる事業:錫100%製品の製造・販売、産業観光事業、錫婚式事業

1916年、能作は富山県高岡の地で創業し、仏具や茶道具、花器などの鋳物の製造を開始しました。2003年には世界初「錫100%」の鋳物製造を開始し、錫100%製のテーブルウェアを中心に、国の伝統的工芸品に指定される「高岡銅器」の魅力を伝え続けています。また、伝統技術や文化、職人の精神を広く知っていただく産業観光事業に取り組んでいるほか、主力商品の錫にちなんで2019年より錫婚式事業を開始しました。現在では、錫婚式文化を広めるため、全国の式場やホテルと連携し、富山県以外での錫婚式もプロデュースしています。

  • 錫100%製テーブルウェア、インテリア用品、仏具、茶道具、花器、その他鋳物全般の製造・販売
    鋳造方法:生型鋳造法、シリコーン鋳造法、自硬性鋳造法、ロストワックス鋳造法
    溶解材料:錫・真鍮・青銅
    特徴:多品種少量生産体制 (小ロットの対応可)
    企画から製造までの一貫生産体制からセミオーダーや部分加工等の柔軟な対応
    高精度且つ複雑な形状の鋳造加工
    国内外のデザイナーとのコラボレーション
  • 産業観光事業:旅行企画・工場見学・鋳物製作体験・飲食
  • 錫婚式事業

特徴・差別点等

1. 独自技術の開発

錫100%製の食器やインテリア用品の製品開発を始めたのは当社が世界初です。
当社の錫製品は、他社製品のような合金を使用せず、錫100%(純錫)で製造しています。当社が錫製品の製造を開始した2003年以前から、錫製品を製造販売する企業はありましたが、他社は硬度をもたせるために錫にアンチモンや銅・鉛などを含めた合金にして加工しやすくし、製品をつくっています。誰もやっていないことをやるという方針を大切にするもと、錫の特徴であるやわらかさや、熱伝導率の高さ、酒や水がまろやかになる、抗菌作用がある点を生かした製品開発をしています。

2. 伝統技術の伝承

400年の歴史を誇る国指定伝統的工芸品「高岡銅器」の伝統的鋳造法に指定される4つの鋳造法のうち、「生型鋳造法」という砂を用いた製法を今もなお採用しています。ろくろ加工や研磨など機械生産ではない、手仕上げにこだわり製品づくりに取り組んでいます。生産効率を重視し機械化に移行するメーカーが多いなか、地域の伝統産業の継承に情熱を注いでいます。

3. 環境に配慮した持続的経営

企業の環境への取り組みが注目されるなか、「誰もが住みやすく笑顔になれる社会を」をスローガンに掲げ、資源リサイクルなどの環境に配慮したものづくりや地域貢献活動を通して、豊かな社会の実現を目指しています。取引先においてもESG投資を重視する取引先が増えており、企業の社会的責任や持続可能な世界の実現という観点は、伝統工芸の会社にも例外なく求められています。

  • 生型鋳造法
    鋳型づくりに用いる砂は繰り返し使え、製造過程で出た金属の端材は再度溶かして材料として使用できるため、環境にやさしいサステナブルな製造方法です。
  • 錫リサイクルプロジェクト
    ご自宅で役目を終えた能作の錫製品を能作へお送りいただくことで、お客様も活動に参加いただける持続可能な参加型プロジェクトです。回収品をお送りいただいた方には、その錫製品の重さに応じて、買い物に利用可能なポイントまたはギフトチケットをプレゼントしています。

4. 新技術の探求・導入

シリコーンゴム型に金属を流し込んで製品を製造するシリコーン鋳造法を2008年に研究開発したことで、製造できる製品デザインの幅も増え、タクトタイムの短縮にも繋がっています。
伝統的な製法のみを用いて伝統を守っていくという姿勢だけでなく、時代に沿う新たな製法を生み出すことで製品ラインの幅をもたせ、100年先も続く伝統工芸を目指しています。

5. 顧客視点の生産体制

多品種少量生産を強みとし、他社が応じない1個からの少量注文にも対応しています。多品種少量生産が可能な理由として、昔ながらの製法により一つひとつ砂で鋳型をつくるため、原型さえ製作すれば必要な数量だけ鋳造することができるのです。

6. 海外における市場開拓

  • 国内外の星付きレストランに選ばれる錫製品
    ミシュランガイドやWorld50に選ばれる国内外のレストランで、錫製のテーブルウェアをご使用いただいています。世界初・錫100%の曲がる器という、他にはないユニーク性と地域の伝統産業が世界に認められ、日本の工芸を世界中の方に知っていただけることを誇りに思います。
  • 台湾を拠点に東アジアを中心とした海外展開
    2020年、台湾に子会社である「能作貴稀金屬股份有限公司」を設立し、2022年には、台湾台北にブランドコンセプトストアをオープンしました。
    当社は、海外のデザイナーによる製品デザインの実績も豊富にあります。海外文化を見据え、欧米や中華圏に向けた製品の展開も行っています。文化に合わせた製品開発が可能な点においては、他社にない強みを持ち合わせているといえます。

7. 地域社会への貢献

当社の産業観光事業は、「地域の伝統産業を地元の方が誇りに思い、子どもたちが自分の生まれ育った地域を誇れるようにする」ことを目的に始めました。特に工場見学は30年以上前から無料で受け入れており、富山県の産業観光の先駆者として、今では年間13万人が訪れます。
本社施設では、職人を間近に感じる工場見学、伝統的な手法を体験できる鋳物製作体験、工場直営店、地元食材を使った料理を錫の器で提供するカフェレストラン等、テーマに沿ったコンテンツを提供しています。また、富山観光のハブとなるべく、TOYAMA DOORSと名付けた県内の観光案内スペースを設けています。県内の観光スポット、飲食店など、当社社員が実際におすすめするスポットを自ら取材しカードとして作成、来館者は自由に手に取り持ち帰れるようになっています。
2019年、産業観光事業で第13回産業観光まちづくり大賞経済産業大臣賞を受賞しました。(地域資源を活用した地域のハブとなる産業観光事業)

8. 新たな価値・文化の創造

当社が素材として使用する錫に注目し、2019年から結婚10周年を祝う「錫婚式」のブライダル事業を開始し、鋳物メーカーという異業種からブライダル事業に参入しました。これまでに約150組が錫婚式を実施しています。その内、県外からの参加者が約9割を占めており、富山県の滞在にも繋がっています。
アニバーサリービジネスの確立と錫婚式を日本全国に広め、文化として定着させることを目指しています。

9. 多様な人材が活躍できる経営方針

当社は、儲けを優先しない、社員教育をしない、営業活動をしない、同業他社と戦わないことを経営方針とし、仕事を楽しむことを優先しています。家庭と仕事の両立をはかる従業員が大半のため、時間単位年休の導入や有給休暇の取りやすい職場の雰囲気づくりなど、働きやすさを重視しています。
「人を幸せにする経営」を実践する企業を顕彰する第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査員特別賞を2011年に受賞しました。