医療法人財団ヒロ横濱デンタル – 企業価値協会 Skip to content

医療法人財団ヒロ横濱デンタル

医療法人財団ヒロ横濱デンタル

医療法人財団ヒロ横濱デンタル
神奈川県横浜市西区岡野 1-13-15ペレネ和平ビル2F
TEL: 045-311-8241
https://yokohama-endo.com/

理事長院長 髙橋 浩

2021年 認定

理事長院長 髙橋 浩
創業:2009年
主たる事業:歯内療法専門医による根管治療

エビデンスに基づく歯を残す治療を実践。世界最先端と言われる ペンシルバニア大学の根管治療専門医に準じ、難易度の高いマイクロ スコープによる精密治療を行う。これは世界で約300人、日本人では6人 しかいない専門資格であり、抜かずに保存したい方々の最後の砦として 多くの患者から支持される特徴的価値を有すると認定。

特徴・差別点等

抜歯せずに「根管」治療で歯の予防を最重視

1. 先駆的にマイクロスコープを導入し難手術対応

 日本国内いたるところで生活拠点になっているコンビニエンスストア(コンビニ)を、数の上ではるかに上回る歯科医院・クリニック(以下歯科医)があるのをご存じだろうか。驚くことに、東京など都市部を中心に、歯科医の数は日本全国で何と6万9000にも及んでいる。

 その数多くある歯科医の間で今、マイクロスコープを使った新たな歯科治療が急速に大きなテーマとなりつつある。マイクロスコープは名前のとおり顕微鏡のこと。この顕微鏡を使って、肉眼ではなかなか見えにくい歯の奥の部分にスコープを当て、3倍から最大30倍まで拡大すると、神経が露出しそうな虫歯の難しい治療も行える、という画期的な歯科治療だ。

 ところが、日本国内で、この顕微鏡を活用して先端歯科治療とも言われる歯の根管治療を行っているのは実はかなり限られていて、一部の個人歯科医院、それに大学病院歯科で研究用に使われている程度、というから驚きだ。

 今回、企業価値協会の価値認定企業となったヒロ横濱デンタルは、このマイクロスコープを使った歯科治療では先駆的な領域に入る企業の1つだ。

 院長の髙橋浩氏は「私は長年、歯の治療にかかわってきましたが、私の基本的な考えは抜歯せず、さまざまな治療法を駆使して可能な限り歯を健全な状態で保つ予防を歯科医としての哲学にしております。マイクロスコープによる治療は、技術的に難しい手法ですが、私は、この分野では先進的な米国ペンシルバニア大学で技術研鑽を積み、その成果をベースに、日常的に積極活用しております」と述べている。

 32本ある人間の歯は、基本的には大事に手入れして健全な歯の状態を保てるようにするのがベスト。虫歯や歯周病など数多くの治療を要する課題を抱えていても一度、抜歯してしまうと、義歯の入れ歯にするか、インプラントで根底に金属で支えをつくり別の歯にしてしまうことになる。しかし治療次第で健全な歯に戻せるならばその選択をすべきだ、というのが髙橋院長の考えだ。

2. 有名歯科医の指導で歯内専門医資格を取得

 髙橋院長がマイクロスコープという顕微鏡による歯科治療の重要性にめざめたのは、かねてから尊敬する有名なある歯科医の指導を受けたのがきっかけ。
その際、歯の根っこ部分のさまざまな治療にあたる根管治療の重要性を知り、マイクロスコープを活用すれば、それが可能になることがわかった。そこで、技術レベルの高さが求められる歯内療法の専門医資格に必死で挑戦し、見事に資格を取得した、という。

 歯科医によっては、たとえば虫歯が大きく進行していて、神経を抜くなど手間ひまのかかる厄介な治療が必要な場合、リスクを避けて安易に抜歯に走るケースがある、と言われている。

 しかし、髙橋院長は、それらの歯科医とは、大きく異なる立ち位置だ。

「顕微鏡操作で根管部分の治療などを丁寧に、かつ時間をかけて行えば、健全な歯を取り戻せます。ただ、当院で行っているマイクロスコープによる根管治療は、いわゆる保険適用外になっているため、治療費負担がやや大きくなります。でも、私は患者さんには『抜歯は、人間の手や指を手術で切り取るのと同じで、二度と復元できません。それでもいいですか』という形で、最終の判断を求めます。興味深いことに、ほとんどの患者さんは『歯を抜かないでくれ』と言います」と髙橋院長は語る。

3. マイクロスコープ活用の歯科治療は高い難度

 髙橋院長によると、2009年に横浜市内に現在の「ヒロ横濱デンタル」を開業後、歯内療法専門医資格を取得したのに合わせて、マイクロスコープを使った歯科治療で先進的な米国ペンシルバニア大学の外国人向けインターナショナル・プログラムにチャレンジ、その際、開業医の仕事にやりくりつけながら数回にわたって訪米し必死で技術修得した、という。

 このマイクロスコープを使った歯科治療は、髙橋院長によると、狭い道路をバックでクルマを運転するような難しさがある。もともと難手術が多い脳外科用の顕微鏡を組み込んだ機器を歯科治療用に転用している。このため、歯の手術時などには足で顕微鏡を操作しながら顕微鏡を少しずつ拡大し、目をこらして歯の患部部分では手や指先を使って慎重に手術もしくは治療する。極度の緊張と同時に、かなり難度の高い技術レベルが要求される、という。

 専門技術を学んだ米ペンシルバニア大学からマイクロスコープ治療担当の専門教授が2019年に来日し「ヒロ横濱デンタル」で技術度合いのテストを受けた。OK評価を得た時は、本当にうれしかった、と髙橋院長は述べている。

4. 親知らずの歯の移植も成功、手術は2、3か月待ち

 このマイクロスコープは、脳外科手術で活用する顕微鏡から歯科治療用に転用する機種もあるため、金額的にもかなり高価で、1台最高2500万円もするという。「ヒロ横濱デンタル」では、その高価な新鋭機種を1台保有しているが、それ以外に中古機種などを活用し、全体として6台を保有している。

 これほど多くマイクロスコープを保有するのは、歯科医としても珍しい部類に入るのは間違いない。そのうち3台を治療用、手術用などに使い、うち髙橋院長と藤野副院長が常時、2台を活用し、あとは技術習得の研修で来ている3人が共同で1台を活用、それ以外は大学に研究用に貸与している、という。

 興味深いのは、最近、「ヒロ横濱デンタル」のマイクロスコープ活用による歯科治療の評判が広がったのか、抜歯せずに「根管治療」はじめ修復治療などを求めての患者の来院が多くなった、という。

 最近、マイクロスコープを使って親知らずの歯を抜かずに移植する難手術に成功したことが評価の対象になったようで、インターネットで「ヒロ横濱デンタル」の存在を知った、という患者の来院が多く、現在はさまざまな手術の待ちが、何と2、3カ月先だ、という。

 髙橋院長は「歯科医仲間からも、『根管治療部分で少し手に負えない箇所があり、患者にとってリスクも大きいので、申し訳ないが手術対応をお願いできるか』といった依頼ケースがあり、引き受けています」という。

5. 顕微鏡での歯科治療をビデオに収め普及めざす、外国語版も

 マイクロスコープを活用しての根管治療や難手術対応は意欲的な歯科医の間でも次第に広がりを見せてきているが、髙橋院長ら「ヒロ横濱デンタル」の取り組みが評価できるのはチャレンジ精神が旺盛だ、という点だ。

 髙橋院長は「歯科技術の分野は最近、進化が際立っています。そうした中で、私は、抜歯せずに健全な歯を活かす、という考えを貫くため、マイクロスコープを活用した歯の根管治療の技術をぜひ普及させたい、と思っています」と述べている。

 そこで、髙橋院長は、顕微鏡の持つ特性をフルに生かして肉眼で見えない歯の根っこの部分の治療のすべてを多くの歯科医仲間の人たちに見てもらい普及が進むように、とビデオ収録作業を進めている。具体的には、国内向けに日本語でのビデオをつくると同時に英語や中国・広東語、スペイン語の外国語版のビデオもつくっている。専門技術を半ば独占するのではなく、ビデオ研修を通じて多くの歯科医に技術習得してほしい、と積極的だ。

 今後の経営課題に関して、髙橋院長は、こう述べている。

 「私は、抜歯せずに予防歯科に徹する、という理念経営を今後も、貫きます。そのため、マイクロスコープ治療に磨きをかけます。うれしいことに私の取り組みへの評価が上がってきてたのか、『ぜひ治療を御願いしたい』との依頼が多くなり、現在の歯科クリニックが手狭まとなってきました。そこで、根管治療専用病院などを新たに2つ増やしたいです。このため、3年後に何とか年商3億円の取り扱いをめざしたいです」と語っている。

 現状の「ヒロ横濱デンタル」が取り組むマイクロスコープ治療への評価の高まりから見れば、十分に可能のように見える。

【会社概要】医療法人社団ヒロ横濱デンタル
本社横浜市、髙橋浩院長、資本金1,110万円、2009年創設、年商1.1億円、常勤歯科医師2人、研修医3人、衛生士らスタッフ5人

牧野 義司
経済ジャーナリスト
毎日新聞・ロイター通信OB