倉敷ボーリング機工株式会社 – 企業価値協会 Skip to content

倉敷ボーリング機工株式会社

倉敷ボーリング機工株式会社

倉敷ボーリング機工株式会社
岡山県倉敷市松江2-4-20
TEL: 086-456-3877
http://kbknet.co.jp

代表取締役 佐古 さや香

代表取締役 佐古 さや香

2021年 認定

代表取締役 佐古 さや香
設立:1957年
主たる事業:溶射による表面処理・精密機械加工

溶射による表面加工で機械修理から補修・保全へ業容拡大。寸法復元、長寿命化など価値を付加。また前後にある機械加工も自社で行う一貫体制、強い研究開発部門、顧客プラントでの現地施工は特徴的。その実力で航空機産業にも参入。SDGsへも積極的に取り組むなど我が国製造業の品質維持に寄与する特徴的価値を有すると認定。

特徴・差別点等

1. “小粒”でも日本の製造業を支える“かけがえのない”会社(溶射・機械加工)

 「溶射って何?機械加工って何?と聞かれたら、倉敷ボーリング機工では、「縁の下の力持ち」だと答えます。石油精製・石油化学、製鉄、製紙、印刷、造船、航空機など、ありとあらゆる’ものづくり’産業に欠かせないのが、ひとつひとつの’産業部品’です。そして、それらの’産業部品’を支えているのが、溶射・機械加工技術です。」 (倉敷ボーリング加工HPより抜粋)

 倉敷ボーリング機工は、上記に引用した、会社の持つ技術の端的で過不足ない説明が示すように、日本の産業の下支えの先端技術、その“かけがえのなさ”を控えめだが誇りを持って打ち出し、推進する姿勢がにじみ出ている会社である。
 産業構造の変化の中、世界はIT、ICT(情報通信技術)に関わるDX(デジタルトランスフォーメーション)等含め、付加価値の量的観点では第3次産業のウェイトが高まっている趨勢は変わらないが、そのDX関連の産業振興を含め、必要な製品(モノ)、製造物を完成させるのが生産/製造設備であり、産業部品である。日本の誇る製造業、また世界の様々な製造業が、今後も常に時代や生活の変化に合わせて必要不可欠であることは、どのような世界が出現しようとも変わることはない。そのための「下支えの縁の下の力持ち」で、まさに”ほかにとって代わるものがない大事さ”という意味の“かけがえのない技術・サービス”を持つ会社、企業価値を持つ会社に他ならない。

2. 製造設備・機械の健康寿命を健やかに伸ばす”志“

 倉敷ボーリング機工の持つ溶射・機械加工技術は、わかりやすい一例ではグルグル回る機械を使って行うモノの生産などの際、生産する機械の精度を維持、担保し、高品質かつ極めて高い均一性の生産などを求められる製造の現場では不可欠の技術であり、生産製造設備、産業部品が少しでも長持ちすること、さらには、製造コスト面の時間軸でも製造機械、産業部品が”健やかに長持ち”することへの貢献である。
それはひいては、日本の製造業全体の生産性の向上、生産性の維持、品質の維持/向上に欠かせない技術である。
石油精製・石油化学、製鉄、製紙、印刷、造船、航空機といった分野にとどまらず、さまざまな製造設備、製造部品の“健やかな稼働期間の延長”は、移り変わる景気の中で緻密に製造コストの見直しを不断に求められる製造業においては、必須の技術であり、需要が絶えないものである。

倉敷ボーリング機工株式会社

 倉敷ボーリング加工は、この状況を常に意識し、顧客ニーズ、顧客の状況、生産設備、生産部品の状況に合わせた事業展開を、迷うことなく真摯に追求する志に満ちている会社であることも、まさに”企業価値“の神髄と言える。さらに言えば、製造業の世界で、お客様(製造業事業分野)の製品に“より良いものづくりと経済と社会への貢献の魂を吹き込む事業“を行う企業でもある。

3. 日本製造業の“健康管理”に邁進する“医者”の役割

「大手プラントの保全業務の一環で、定期的・突発的修理依頼への対応(御用聞き営業)をしています」
「大手メーカーのサプライチェーンに入り込んだ、溶射皮膜の量産加工及び販売をしています」
「自社皮膜の提案に関わる技術営業(客先訪問・各種展示会)も手がけます」
上記は、倉敷ボーリング機工の企業価値協会の質問への回答抜粋である。

 顧客取引先は、重工業、化学、製紙、重電、産業部品、精密機器、鉄鋼、プラント関連、など、日本を代表し世界でも有数な日本の大企業製造業、70社近くに達し、その製造現場の製造設備、生産部品、機器等の保全に徹底して対応している。
 言ってみれば、さまざまな分野別顧客の、複雑で多種多様な生産設備・装置の保全に丁寧に対応しているという点も特記すべきものであり、溶射・機械加工の技術とサービスで、”さまざまな不調にきめ細かく、かゆいところに手が届く「治療」を施す、倉敷にいるお医者さん”ということになる。ちょっとした不調も傷も放置していたら大事に至ってしまう。それをちょっとした少しの段階の”治療“で治し、製造業の“健康管理”に多大な寄与をする。いわゆる生産現場の予防保全にも欠くべからざる重要な役割である。産業機械分野の専門家の観点でも、生産現場では生産の不具合不調後の対応である事後保全よりも予防保全の方がはるかに生産性向上の視点で肝要であることは、現在の製造業の課題の主たる要諦でもある。

溶射、皮膜電子顕微鏡写真

溶射、皮膜電子顕微鏡写真

 日本製造業の生産現場の製造設備の”健康寿命”を伸ばすことに欠かせない”健康管理“”予防保全“の役割の追求も倉敷ボーリング機工の真骨頂と言え、その「縁の下の力持ち」「かけがえのない技術」「エッセンシャルワーキング」(世の中の土台を支える産業)という志の観点も注視すべき特徴的な会社であることは論を俟たない。さらに言ってみれば、「倉敷ボーリング機工がなきゃ困る」「倉敷ボーリング機工じゃなきゃ困る」という点を会社として事業展開で自然体かつ真剣に追求していることが脈々と伝わってくる点も特記すべきだ。
 倉敷ボーリング機工の佐古社長は、さらに今の日本の製造業を取り巻く生産年齢人口の変化、つまり日本の高度成長期からの“日本ものづくり“最盛期を経て活躍した、製造技術の”匠”ともいうべき技術者の高齢化と生産現場からの退出という趨勢も踏まえて、次のようにも語っている。
「顧客や大手製造業のベテランの技術者にアドバイスも受ける、それはものづくりの基本、基盤の考え方でもあり、現場の意見、自社技術製品サービスがどう使われているか、お客様の意見も参考になり、それをさらに生かしていきたい」
会社では、大手メーカーの退職者もアドバイザー契約で迎え、指導・育成、組織開発にも注力。佐古社長の発言にも、日本のものづくりの現状と将来を見据え、状況の変化を冷静かつ着実に捉えつつ、中長期の成長をにらんで、”唯一無二”の技術の追求とその研究開発を目指すという志が満ちている。

4. 将来・未来の先端産業への貢献という”志“

 倉敷ボーリング機工では、現在、参入への高度なハードルのクリアが必要な航空機産業への参入を目指している。特殊工程である溶射のレベルは、専門の認証機関よりの許諾を得、規格に合格。現在、航空機部品関連分野への参入を進めている。日本では三菱重工業、川崎重工業、IHIなど航空機製造関連の大製造業が航空機産業、航空機製造、航空機部品製造への流れを確固たるものにしているが、今後の将来の日本製造業の”日の丸航空機“の可能性も視野に、世界市場と合わせ、さらなる参入も目指している。
 さらに、世界的な新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、社会と生活がいわゆる”ニューノーマル“”ネクストノーマル””ポストコロナ”という概念を軸に、DX=デジタルトランスフォーメーションの進展、非接触型様式等が、不可逆的なデファクトスタンダートになると言われる中、IT、ICT関連デバイスを中心としたデジタル機器製造分野では、未曾有の半導体の需要が見られるが、半導体製造の場面でも、溶射高技術は必須のものであり、会社はこの分野への参入、進出も重点ターゲットとしている。
 まさに、21世紀のエッセンシャル(必須不可欠)を見据えた”未来志向”の志の会社である。

研究開発部 電子顕微鏡で試料観察

研究開発部 電子顕微鏡で試料観察

溶射装置のオペレーション

溶射装置のオペレーション

5. “ものづくりが好き”、社員の一人ひとりの持ち味を最大限発揮する”志“

 倉敷ボーリング機工を語るさらなるキーワードは、”ものづくりが好き“”一人ひとりの持ち味を最大限発揮する”というものである。情熱/熱意を全社員が発揮できる組織運営に経営陣は腐心し、かつ40年以上前から研究開発費を惜しむことはしない。そして工学ドクター、MBA取得者含め、高度研究開発に注力する。社員全員も”ものづくりが好き”という人財(人材ではない、人は”財産”の「人財」)が常に集まる”企業文化”にも、そこに志を見ることができる。
 技術も戦略的思考も研究開発、人財開発も、さらに未来志向のその志は、まさに進化論のダーウィンの言う「生き残る種は、変化に最もよく適応したものである」の至言をも想起させる、そうした特筆すべき企業価値を持つ企業である。

大山 泰
(株)オウケイウェイブ
社長室長兼オウケイウェイブ総研所長
元フジテレビ経済部長・解説委員